豆魚雷のAmazing Artist Collection|藤本圭紀(マンチキン)/ みならいウィッチ Amazing Artist Collection Vol.3

2013年夏のワンダーフェスティバルにて、ガレージキットとして初披露。
Amazing Artist Collection 第三弾。

魔法使いのみならいが挑んだ卒業課題は、“怪物を一匹狩ってくること”。果たしてその結末は……?

個性的でキュートな顔立ち、着古した感がありつつも上品さの漂う、絶妙な色合いのロングコート。隅々までかわいらしく柔らかで、さりげなくもテクニカルなポージング。絶妙なパースがかけられた赤い石畳をモチーフにしたベースは、最小限のスペースとディテールでありながらも世界観を感じさせます。そして左手には、ぎょっとするほどリアルな“卒業課題の犠牲”が!

コンセプト、センス、構成、技術、全てが高いレベルで融合した、原形師・藤本圭紀氏によるオリジナル造型の傑作です。限定数量は5体。塗装に至る工程すべてを藤本氏みずからが手掛け、そのままの状態でお届けします。細やかで美しい作り込みをどうぞご堪能ください!

材質:ウレタンレジン
サイズ:全高約21.5cm(台座含)
藤本圭紀自らによる塗装済み完成品
2015年8月発売予定
完売しました

ギャラリー
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藤本圭紀 / マンチキン Yoshiki Fujimoto / MUNCHKIN 藤本圭紀氏 ロングインタビュー

第1回 2015-02-10 公開
第2回 2015-02-12 公開
第3回 2015-02-13 公開

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PROFILE

1983年生。大阪府出身。 [リンク/マンチキンの巻き戻しDIARY (blog)]

幼少時より年長の従兄弟たちの影響により、怪獣を愛好する。そして小学校にあがる頃、兄の友人に見せられた模型雑誌「ホビージャパン」に衝撃を受け、ガンプラといったプラモデル、そしてビリケン商会や海洋堂のソフビキットを制作する模型少年へ。いっぽう、母親の影響によりクラシックの名画や「サウンド・オブ・ミュージック('65)」といった映画にも親しむ。「とても幸せな子供時代を過ごし、自分の究極がそこにある」と語るほど、幼い当時の周囲の環境・状況の記憶は、藤本にとって価値の高い原風景となった。

大阪芸術大学に進学し、油彩を専攻する。そしてのち、立体への興味が強まり彫刻科へ転科。専ら等身大の裸婦像を制作し、立体としての人体への理解を深める。そして同時期、フィギュアとしてはじめて「ピーターパン」の“ティンカーベル”、そして「サウンド・オブ・ミュージック」の“ジュリー・アンドリュース”をフルスクラッチで制作。

大阪芸大卒業後は、新卒でフィギュア造型の制作会社・株式会社エムアイシーに入社。手造型のみならずデジタル造型も習得、さらに彩色までも手掛ける。マテリアルやツールだけでなく、手掛けるジャンルも多岐にわたり、美少女やクリーチャー、リアル造型に至るまで幅広くスキルを磨く。残念ながら商業作品で藤本個人の名前が世に出ることは殆ど無いが、担当した作品はどれも同一人物の手によるものと思えず、しかもクオリティが高い。あらゆる造型をマルチに、そしてハイレベルでこなすことができるという、得がたい才能を持つオールラウンダーなのだ。

2011年夏のワンダーフェスティバル(以下WF)にて、初のオリジナル作品「リーナ」を展示。続く12年冬WFにて発表した「SPLATTER GIRL」【画像】が、確かな技巧と異様な存在感で注目を集める。そして13年冬は「リーナ」をもとに制作した「黒いドレスと裁ちばさみ」【画像】を発表。このようにショッキングなモチーフは、並の技量では造型がコンセプトに負け、得てして下品になってしまう。しかし本作は、藤本が持つセンスと造形力により気品の漂う仕上がりとなった。

そして13年夏のWFにて、今回のAACエントリー作品となる「みならいウィッチ」を発表。モチーフを選ばず造型できるオールラウンダーが、自らの世界観を立体化したらどうなるか?果たして、「高い作家性と強いアク」がありながら「万人受けが可能なギリギリの線を実現」という、世の数多あるオリジナル作品の中でもそうは見ることのできない傑作となった。その後14年冬WFでは、「フランケンシュタインの花嫁」をモチーフにした「リトルブライド」【画像】を発表。こちらも高い評価を得る人気作となる。

自身の原風景(=インプット)からくる独特の世界観を、“社員原形師”として日々培っている技術で立体化(=アウトプット)できる。
さあ次はいったい、どんなものを見せてくれるのか?
期待せずにはいられない、気鋭の造型作家である。

■関連リンク
【マンチキンの巻き戻しDIARY (blog)】
【株式会社エムアイシー (藤本氏が所属するフィギュア造型制作会社)】

(テキスト/ 原田プリスキン)