佐野好彦 / エース工房
Yoshihiko Sano / ACE STUDIO
佐野好彦氏 ロングインタビュー
第1回 2014-06-25 公開
第2回 2014-06-26 公開
第3回 2014-06-27 公開
PROFILE
1966年生。広島県出身。 [リンク/エース工房blog]
幼少期からSF映画やモンスター映画を好み、模型を嗜む父親の影響もあって、オーロラ社やmpc社などのモンスター系のプラモデルに親しむ。
(ちなみに父親は鉄道模型を好んだというから、好みとしては真逆だったようだ。)『スター・ウォーズ 帝国の逆襲('80)』を観た勢いで、
紙粘土で「ヨーダを作ったのが初の造形作品という。しかし思春期に入るとともに音楽へ傾倒、模型からは遠ざかり、ベーシストとして
音楽の道をひた走る。青春時代はバンド活動に費やし、当時を回想して「音楽を中心に世界が回っていた」と語る。
結婚を機に、本人曰く「音楽ばかりで収入がなく、少しでも生活の足しになればと思い」、“ブギーボーイクラフト”という屋号で
ブルース・ミュージシャンやジャズメンをカリカチュアした造形作品【画像】を制作、
自らのウェブサイトで販売する。
そして’00年代初頭、初期サイドショーやマクファーレンのアクションフィギュアに出会う。出来の良さと低価格に驚き、生来の
モンスター好きの血が騒いだ。当時メジャーになってきたヤフオクへと主戦場を移し、モンスターのフルスクラッチモデルや既製品の
リペイント作品を制作する。そして’04年、セガからゲームセンターのプライズとして登場した
「エイリアン ハイグレードモデルキット」【画像】
をリペイントして出品。それがフルスクラッチ作品よりも高値で落札されたことをきっかけに、本来『エイリアン』は彼の「ベスト1映画」で
あったことも手伝い、以後次々と『エイリアン』のリペイント品やカスタム品を制作。驚愕のカスタムセンスと塗装クオリティの高さから話題となり、
一気にエイリアン・コレクターの間では知らぬ者がいない存在となった。
その才能を評価したモデラーズ・ショップ「ロズウェル・ジャパン」は正規に版権を取得、
’10年に佐野原型による「エイリアン・ビッグチャップ」の 1/3スケール・バストスタチュー【画像】
を発売。その正確で美しい仕上がりは、世界中のエイリアンマニアを唸らせた。翌年となる’11年、1/5スケールで発売された同じく「エイリアン・ビッグチャップ」の
全身版スタチュー【画像】
は“エイリアンモデルの究極の決定版”として揺るぎない評価を獲得。さらに続く’12年には『エイリアン3』より「ドッグ・エイリアン」の
バストモデル【画像】
、そして『スピーシーズ(’95)』より「シル」の
バストモデル【画像】
を発表。これらの傑作により、“ギーガー系クリーチャー造形の第一人者”として世界に認められる。
※ ※ ※
今回制作した「bride」は、佐野にとって初となる、“キャラクターものではない、オリジナルの造形作品”となる。
「エイリアンとは関係ないので、どう受け取られるか不安ですが……。」と、佐野は語る。
■関連リンク
【エース工房 blog】
【ロズウェル・ジャパン HP】
(テキスト/ 原田プリスキン)
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