真の美しさは、
「リアル」を超えたところにある。

精巧、緻密。まるで写真のように
“リアル”。
造形物は、その追求だけで
魅力的なものになり得るでしょう。
しかしキャラクターの本質を、根底にあるものを
掴み、理解し、形にすることで
“リアル”のその先にある“美しさ”が見えてくるはず。
「像(ZOW)」というシリーズは
その思いを具現化し、証明するための
豆魚雷による新たな試みです。

  • 像(ZOW)/ バンピレラ 全身

    参考価格:31,860円(税込)
    仕様:塗装済み完成品スタチュー
    素材:ポリストーン
    サイズ:全高約28cm
    発売予定:2017年7月
    原型制作:タナベシン(JINTO)
    ペイントマスター制作:矢竹剛教(ACCEL)
    企画・制作・発売: 株式会社豆魚雷


  • ZOW/ VAMPIRELLA FULL- LENGTH

    Price: $249.99
    Pre-Painted Statue
    Material:Polystone
    Height:11inch
    Publication Date: July 2017
    Sculpt:Shin Tanabe(JINTO)
    Painter:Yoshinori Yatake(ACCEL)
    Manufactured by : MAMEGYORAI

    Vampirella, Dynamite, Dynamite Entertainment and its logo are (R) & (C)
    2017 Dynamite. All rights reserved.

キャラクターの本質・根底にあるものを掴み、“リアルな造形”の先にある「美しさ」を形にしようと試みる、豆魚雷の新たなシリーズ「像(ZOW)」。
その第一弾に、ホラー・フィメールの代名詞と言える “バンピレラ” をセレクト。

バンピレラというキャラクターが持つカリスマ性そのものを立体化したような立ち姿。右脚でガーゴイルを踏みつけ、左手は蛇の絡みついた骸骨を掲げながら笑みをたたえるさまには崇高さが感じられます。ポーズは柔らかで、どの角度から見ても気持ちの良い、計算された空間設計は絶妙のひと言。コントラストが織りなす、趣向を凝らしたペイントワークも必見です。

原型制作を担当したのは女性造形の名手・タナベシン氏(JINTO)。彩色見本制作を担当したのは日本を代表するペインター・矢竹剛教氏(ACCEL)。トップアーティストふたりのコラボレーションにより、美しくて妖艶、強く、怖く、神秘的な要素が濃縮された、最高のバンピレラ・フィギュアが誕生しました。

Mamegyorai launches a new project “ZOW” is to seek and to reach ahead realistic molding, and to grasp beneath under the essence of the character. For the first selection will be the classic horror female “Vampirela”.Standing proudly with her fascinating Beauty.Stepping a Gargoyle on her right foot and stretches her left arm while holding a skull with a twining snake, the huntress bewitching smiles shows her proud sublimity. She poses very natural and calm, every dimension is calculated to be an excellent composition. The contrast of light composition and the elaborated paintwork is very worthy. Sculpted by an artist Tanabe Shin the expert for female sculpture (JINTO).
Paint master produced by the Japan`s representative painter Yatake Yoshinori (ACCEL) .
A High quality Vampirella figure condenses with a mysterious sacred beauty, and a powerful horror element is well created by the two top excellent artists.

  • Artists
  • タナベ シン (JINTO) | 原型制作
    Shin Tanabe(JINTO) | Sculpt

    1995年、特殊メイクアップ・アーティストを目指して単身渡米。ハリウッドの映像作品参加などを経て、米トイメーカーの専属原型師として従事する。2007年に帰国してからはフリー原型師として活躍の場を拡げ、日米問わず様々なメーカーのフィギュア原型やアートディレクションに携わる。アメリカで習得したハイレベルな造形力はアニメ、ファンタジー、クリーチャーなどあらゆるジャンルで如何なく発揮され、その才能は他に類を見ない。16年5月に開催された伊勢志摩サミットの記念モニュメントの制作に携わるなど、活動は多岐に渡っている。Gecco「サイレントヒル」「メタルギア」シリーズ、YAMATO USA「ファンタジーフィギュアギャラリー」シリーズ、トイナミ「シネマケット」シリーズなど多数。


    In 1995, Shin Tanabe went on his own to US to become a Special Effects Make up artist. After joining on a Hollywood film works, He engaged in an US Toy Maker Company as an exclusive sculpture. Returning back to Japan in 2007,He decided to be a freelance Sculpture model artist to expand his experience, and worked on many collectible figure projects and also involves as an Art Director between Japan and US.The abilities of his strong background thoroughly show the diverse skill of Anime, Fantasy, Creatures and lots of Genre. Shin has been selected to create a Ise-shima Summit Monument, during the G7 World Summit, which notifies his reputation not only model figures but also cultural artistic values is his fields.

  • 矢竹 剛教 (ACCEL) | ペイントマスター制作
    Yoshinori Yatake(ACCEL) | Paint

    日本を代表するペインターの一人。ゲーム制作会社よりキャリアをスタート、FRP成形、塗装業といった職業を経て、モデルフィニッシャーとなる。アメリカのホビーコンテストで様々な賞を総なめにするほどの実力の持ち主でありながら、「塗装だけでなく造形力も習得しなければお互いの長所を活かせない」と考え、造形活動もスタート。初期の造形作品「丑蜜」はワンダーショウケースに選出されるなど、造形作家としても高い評価を得ている。代表作として豆魚雷「インビジブルウーマン」「ミスティーク」(ともに原型・ペイント)、Gecco「メタルギアライジング/ 雷電」「サイレントヒル2/ バブルヘッドナース」「レッドピラミッドシング」(ともにペイント)など多数。


    Yoshinori Yatake is one of Japan's dedicated painter and a Professional Model Kit Finisher. He started his Career as a Graphic Artist in a Video Game Production Company, changed a job to have an experience of FRP molding and to be in a coating industry to earn more painting skill technique. His excellent involvement has had an ability to sweeps a various of awards on the painting section during the biggest Hobby contest in US, He says that “Painting is not only the necessities. To acquire sculpting skills is needed to make use of the both” and began acquiring his artistry for sculpting. Early of his work “Ushimitsu” was gathered an amount of attention and high position, which had been chosen in the Wonder Show Case exhibition. The reputation as a Sculptor is also well known and receives a high stature through the figure industry.

  • ―バンピレラ―
    ウォーレン・コミックスから1969年に誕生し、ほぼ姿を変えることなく50年近くの長きに渡って高い人気を誇るヴァンパイア。

    アメリカン・キャラクターが好きな方に名前と姿は知られていても、やはり日本人にとって馴染み深いとは言えない彼女。いったいどのようなキャラクターなのか、そしてなぜ豆魚雷は彼女をフィギュア化したのか?

    バンピレラを愛するデザイナー・朝比奈祥和氏と、本商品のディレクター・原田プリスキンが彼女について語り合いました。

    【聞き手・メルビン桑沢】

    朝比奈 祥和
    Asahina Yoshikazu

    1960年生。デザイナー。某模型メーカーで商品開発に従事しつつ、日々現実と空想科学世界の狭間を放浪中。バンピレラに関してはウォーレンコミック時代からのファン。セクシーかつスタイリッシュな外観に魅せられたことがきっかけとなり、謎を秘めたそのキャラクターの魅力の探求がライフワークの1つになってしまった……とか。

    原田 プリスキン
    Harada Plissken

    1978年生。(株)豆魚雷 アートディレクター。バンピレラを知ったのは「ムーア・クリエイションズ」から出ていたフィギュアを見たのが最初だったと思います。以来、もっとも好きなアメコミ・キャラクターとして自分の中に君臨し続けています。

1.

バンピレラとは何者なのか。

—では、バンピレラとはなんぞや?という方もいらっしゃると思いますので、バンピレラとはどういうキャラクターなのか。まずはこれについて教えて頂けますでしょうか。

原田実はなかなか掴みどころのないキャラクターですよね。そのコスチュームや見た目の知名度はあると思うんですが、いざコミックを読んだことがあるとか、ストーリーを把握していますという方となると……。

朝比奈そうはいないですよね。ごく一部、本当に好きな人が探っていって知るというのと、日本語版スターログなんかが昔バンピレラを取り上げたりしていて、年齢的に高めな方はそれで知ったりとか。表紙をバンピレラが飾った日本語版スターログの別冊が二冊1979年に出たんですが、そこで日本語版が読めて。今そういうものに触れる機会もないですよね。

原田僕が最初にバンピレラを知ったのはフィギュアで。日本のほとんどの方は僕のようにフィギュアやスタチューでその姿と名前を知り、だと思うんですよね。

原田どういうキャラクターなんだと知ろうと思うと、これがなかなか難しい。基本的には一話完結のお話の連載なんですよね。

朝比奈そうですね。特殊な能力を持って世界を放浪して、色んな事件に遭遇して切り抜けて……という内容なんだけど、戦いがメインというよりは巻き込まれ型のキャラクターに近い。でも単に流されるんじゃなくて、彼女なりの能力というか吸血鬼ならではの設定を活かしたホラー的なストーリーが展開されるという。

原田まず意外なところとして、この人は宇宙人であるという、元をただすと(笑)。

—そうだったんですか。

朝比奈最初のウォーレンコミックの始まりからすると、異星人ですよね。ドラキュロン星からやってきた、吸血鬼のようなお姉さん。

原田ウォーレン・コミックの74年版でオリジンがあらためて描かれているのですが、ドラキュロンという惑星があって、地表に赤い川が流れている。その星の住人はその川の水をすすって、それを栄養源として生きている。その川の水がなんと哺乳類の血と同じ成分だったという……。

朝比奈凄い設定ですよね。別にその星の人たちは吸血鬼というわけではなくって。それでドラキュロン星が滅びそうになるんですけど、ほかの異星人に侵略されたとかじゃなくて、気候変動で。それで川の水が干上がっちゃうんですよね。

原田天変地異ですね、その星自体が滅んでしまうという規模。他の連中っていうのはずっと川の水をすすって生きてきたんだけれども、当然飢え死にしそうになります。そんな中でバンピレラだけがほかの動物に噛み付いて血を吸うということをして。

朝比奈他の仲間たちは「それは出来ない!」って言うんですよね。まあだから、地球に来る前の段階で、ドラキュロン星の中でもこのバンピレラは他と違う個性の持ち主なんだということで、強調させたかったということなんだと思いますけど。

原田それで種族が全滅してしまうという。バンピレラにはトリスタンという恋人がいて、彼女は「赤い川が干上がるんだったら動物の血を吸えばいいじゃない」と提案するんですよね。で、彼女は実際それを実行して、私と同じようにしなさいよというんですが、いやー僕には出来ないよと(笑)。

朝比奈生きるために必要にもかかわらず(笑)。バンピレラは生きるためならどんなことでもするというタフさを表現したかったんだと思うんですけど、彼の軟弱さが際立つだけのような……。で、そこに地球から宇宙飛行士たちがあらわれて。なんで地球からドラキュロン星にやってきたのかというのが謎なんですが……。

原田探査だったかな?

朝比奈そうかも。で、着くなり血を吸われる(笑)。そして、バンピレラは宇宙船を奪ってしまうという。だから追い込まれて、命に関わる状況だから生き延びる為にはなんでもするっていうタフさが、彼女のキャラクターとしてありますよね。

原田地球人が乗ってきたロケットに乗って、地球に旅立ってしまうっていうのは大らかでいいですよね。

朝比奈ちょっと都合がいいところではあるんだけど。どこで操縦を覚えたんだ?みたいな(笑)。

原田そのへんはおもいきり省略されてますが。でも、ドラキュロン星って意外と文明が栄えてますよね。

朝比奈絵だけ見るとそうなんですよね。だからジャングルのようなとこでもなければ、昔のホラー映画に出てくるような古いお城が立っててというのでもなく、ちょっとぶっ飛んだ未来っぽいとこで。でもそれだったら色々作れる科学力を持ってそうな風景ですよね。あの川の水なんか飲まなくてもこれを食べれば、これを飲めばみたいなのが開発出来そうな文明が感じられるんだけど(笑)。

原田干上がるから諦めます、というのも面白いんですけどね(笑)。

朝比奈だったら人工で川の水を作れよ! みたいなね。まあそこを突っ込むのはナシということで。

—バンピレラは、初期は宇宙人という設定だったんですね。

朝比奈そうなんですよ、忘れられがちなんですけども。滅亡する星から、ロケットに乗って地球にやってきたんです。