火力、機動力、防御力のバランスが取れたもっとも優れた第二次大戦のドイツ軍戦車のひとつに挙げられるのがパンター戦車です。開発にあたってはダイムラー・ベンツとMANの2社が設計案を提示。結果としてMAN社の提示した案が採用となり、1942年9月には軟鋼製でダミー砲塔を搭載した試作第1号車(V1)が完成。そして、続いて完成したのがより完全な試作第2号車(V2)です。さっそく量産の指示が出され、量産前試作型といえる20両はしかしながらすぐに線上に投入されることはなく、クルーのトレーニングや改造のベースとして使用されたとされます。最初の量産型はD型で、試作車とは砲塔形状などをはじめ、各部に変更が盛り込まれていました。
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モデルは1942年の秋にMAN社によって製作されたパンター戦車の試作第2号車、V2を再現したプラスチックモデル組み立てキットです。スケールは1/35。量産試作型の車両をモデル化しています。すでにラインアップされている試作戦車V2のキットに量産試作タイプの違いを再現するパーツを新金型で追加。たとえば、車体 後部に取り付けられた雑具収納ケースや水平配置のカーブした排気管カバーパーツ、さらに、エンジンデッキのエアインテークカバーに砲塔後部に取り付けられた手すりのパーツなど、細部までのリサーチで違いを確実に表現しています。もちろん、コマンダーズキューポラが左に寄せて取り付けられ、砲塔左側面にはみ出している部分に湾曲したバルジを持つ特徴ある砲塔形状や車体上部、エンジンデッキ、さらに、ロードホイールも細部までしっかりとモデル化。車体の装甲板などの違いも再現して います。足元は組み立ても手軽なベルト式のDSトラックを採用。また、エンジンデッキのエアインテークグリルにはエッチングパーツのメッシュも用意され、仕上がりのリアリティを高めます。パンターファミリーの原点とも言える車両のモデルはコレクションに、また、作り較べに楽しみを広げるキットです。
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