エイリアンや魅惑の美少女の原型師として名を知らしめた造形作家の
藤本圭紀さんが、富江を手掛けてくださったなんて夢のようです!

「私は世界一美しい」と自ら豪語する富江の容姿から内面までをも
藤本さんは見事に再現してくださいました!
伊藤潤二

ホラー漫画の鬼才・伊藤潤二氏のデビュー作にして代表作である『富江』。
1986年の初登場以来、世界中を虜にし続けている彼女がスタチューとなって登場です。
伊藤潤二氏による完全監修のもと、造形作家・藤本圭紀氏が原型・彩色見本制作を務めます。
お互いがファン同士であるというふたりの、夢のコラボレーションが実現しました。

伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
富江-tomie- illust hunji-ito

伊藤潤二 × 藤本圭紀
富江 コラボレーション・スタチュー

  • 参考価格:34,000円(税込37,400円)
  • 発売時期:2025年5月予定
  • サイズ:全高約27cm
  • 材質:PVC、ABS
  • 監修:伊藤潤二
  • 原型制作・彩色見本制作:藤本圭紀
  • 制作・発売:豆魚雷

白くしなやかに伸びる腕、脚、そして指の一本一本、爪の先まで、計算されつくしたような麗しさ。自信たっぷりに歩き、長い髪を後ろに払う仕草は、誰をも魅了するオーラを放っています。

造形だけでなく、巧みな彩色も藤本氏の魅力のひとつ。頬や指の先、皮膚の薄い部分にほんのり赤らんで浮かぶ血色は色香を醸し出しています。

足下は一転、肉塊と黒髪に埋もれた別の富江たちが! 自分を踏みつけて優雅に歩く富江へ、怨めしい視線を送る血まみれの富江。企むのは復讐か、暗殺か……? 新たな惨劇を予感させる、ドラマチックな台座に仕上がりました。

伊藤潤二/Junji Ito

伊藤潤二JUNJI ITO

1963年7月31日、岐阜県中津川市で誕生。高校卒業後、歯科技工士の学校へ入学し、職を得るも、「月刊ハロウィン」(朝日ソノラマ)新人漫画賞「楳図賞」の創設をきっかけに、楳図かずお氏に読んでもらいたい一念で投稿。1986年、投稿作『富江』で佳作受賞。本作がデビュー作となり、代表作になる。3年後、歯科技工士を辞め、漫画家業に専念。『道のない街』『首吊り気球』『双一』シリーズ、『死びとの恋わずらい』などの名作を生みだしていく。1998年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で『うずまき』の連載を開始。その後も『ギョ』や『潰談』など唯一無二の作品を発表し続ける。
世界で最も権威のある漫画賞のひとつである米国アイズナー賞にて、2019年に『伊藤潤二傑作集10巻 フランケンシュタイン』(英語版)が「最優秀コミカライズ作品賞」を受賞したのを皮切りに、2021年に2部門、2022年と立て続けに同賞を受賞し、通算4度受賞の快挙を遂げる。2023年、仏国アングレーム国際漫画祭にて「特別栄誉賞」、さらに米国サンディエゴ・コミコンでは「インクポット賞」を受賞するなど日本のみならず海外でも高い評価を得ている。2024年より東京・世田谷文学館(会期:4/27-9/1)で初の大型原画展が開催決定。以後全国での巡回を予定。

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藤本圭紀/Yoshiki Fujimoto

藤本圭紀YOSHIKI FUJIMOTO

1983年、大阪市生まれ。千葉県在住。大阪芸術大学彫刻科の在学中より、本格的に造形活動をスタート。卒業後、商業原型師として株式会社エムアイシーへ入社。2012年から創作フィギュアの制作を開始する。2015年、豆魚雷の主催する「Amazing Artist Collection第三弾」に選出。2017年にフリーランスとなり、商業フィギュア原型と創作フィギュアの制作を中心に、キャラクターデザインや映画作品『シン・仮面ライダー(2023)』への造形参加など、多方面で活躍している。オリジナルフィギュア作品集『BLINK』が大日本絵画より発売中。

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Interview伊藤潤二

『富江』という作品が生まれた背景について教えてください。

伊藤私が中学三年生の頃に、同級生が交通事故で突然亡くなりまして。そのようなことは初めての経験だったので、非常にショックで、信じられなくて、「今でも何食わぬ顔で目の前に現れるんじゃないか」という、そんな錯覚のような感情がありました。こういった不思議な感覚を漫画にしたいというのが最初のきっかけです。

あと、とにかく美しい女性を描きたいという想いがありました。ファッション誌に載っている女性の顔を見ながら、私のなかに「究極の美しい顔を描きたい」みたいなモチベーションがあったりして。そういったところから、どんな話にしたらいいかなと、プロットを考えていった感じです。

先生が実際に富江を描かれるときに、美しい顔のこだわりとしてどこを意識されていますか?

伊藤強いて言うなら目力を意識して、目と瞼のかたちには気を遣って、自分なりのこだわりがあり描いたりはしています。特にどの部分かというより、目鼻の位置関係など、全体的なバランスを重視していますね。ほくろの位置や大きさも、自分なりのバランスを考えながら描いています。どのへんに目があって、鼻の位置がこのへんにあって、口の形がこうで、全体の輪郭がこんな感じで……と、自分の中での“黄金比”を探し求めて、それぞれのパーツを置いているという感じですね。

伊藤潤二×藤本圭紀

今回の【伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー】のプロジェクトが始まった背景について教えてください。

伊藤今度開催される展覧会「伊藤潤二展 誘惑」が決まってから、いろいろ企画を練るなかで、主催の朝日新聞社の方から、造形作家の藤本圭紀さんに富江のフィギュアを作っていただくという話が持ち上がりまして。私は以前から『エイリアン』の素晴らしいフィギュアで藤本さんのお名前を存じ上げておりましたから、「あの藤本さんに私の富江をフィギュアにしてもらえるのか!」という夢のようなお話だったので、すごく嬉しくて、それはぜひお願いしますということで、企画がスタートしました。

フィギュアのデザインを監修するなかで何度もやり取りされたかと思うのですが、出来上がったものに対してのご感想はいかがですか?

伊藤私は藤本さんが作るということで全然不安はなかったです。出来上がったものを拝見すると想像以上の出来で、黄金比の顔立ちになっていると思います。スタイルも非常に良くて、ムーブメントというか、動きのあるポージングが文句なしという感じです。造形を見せていただいたときには、ほとんど何も言うことがありませんでした(笑)。

富江というのは、自分一人の個体しか認めないという性格で、バラバラにされて増えたほかの富江の存在を許すことができないという、非常に独善的なキャラクターなんですよね。なので、自分以外の富江を踏みつけて、優雅に歩いているというこのフィギュアのポーズは、とても富江の本質を表しているなと思いました。下で踏みつけられている富江も「そのうち復讐してやる」と、いろいろ企んでいるんじゃないか。そういったドラマ性も感じさせてくれるフィギュアだと思います。

伊藤潤二×藤本圭紀

富江が今回のような立体物になることについて、何か感慨深いものはありますか?

伊藤藤本さんの美的センス、見る目の確かさ、それを造形する技術は藤本さんの実績で明らかでしたが、今回の富江フィギュアは、藤本さんが作られた『エイリアン』のフィギュアやスタチューを見たときのような「決定版」という印象で、「完璧な富江」を見たような感じです。

色を塗ったものを見せていただいたときも、白黒の造形とはまた違った美しさが際立って、魅力的なフィギュアになっていました。それを手元に置きながら、私も今後の富江の創作、漫画の執筆に新たなインスピレーションが得られるんじゃないかなと、そういう期待をしています。

富江は自分で自分のことを「世界一美しい」って言うキャラクターで、私の描く富江には満足していない……っていうエッセイマンガを自分で描いたんですけど(笑)、藤本さんの富江は、富江自身が見ても高得点を付けるんじゃないかなと思いますね。

【伊藤潤二彩色版】富江スタチュー

『伊藤潤二展 誘惑』にて
【伊藤潤二彩色版】富江スタチューの展示が決定!

世田谷文学館で2024年4月27日(土)〜9月1日(日)まで開催される『伊藤潤二展 誘惑』にて、伊藤潤二氏自らの塗装による「富江」コラボレーション・スタチューが展示されます。世界にただ一体の伊藤潤二彩色版富江スタチューを、どうぞお見逃しなく。

展覧会の詳細は本展公式サイトまたは公式X (旧Twitter)にて。

Interview藤本圭紀

今回の【伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー】プロジェクトに参加された経緯を教えてください。

藤本朝日新聞社さんから、伊藤潤二先生の大規模個展のために富江のフィギュアを作ってほしいというお話をいただきまして。伊藤先生の世界観やキャラクターも大好きでしたから、これはぜひやりたいということで、引き受けることになりました。

と同時に、朝日新聞社さんは豆魚雷さんとも『富江』の商品化について話し合いを進めていたそうです。そこから自然と、豆魚雷の原田さんがプロデュースとディレクション、僕が原型と彩色を担当してスタチューを商品化しようという座組みができました。僕と原田さんはもう10年来一緒に仕事をしてきた仲で、豆魚雷さんから何度も高品質なフィギュアを出していただいた信頼関係もありますし、なにより原田さんも伊藤先生の大ファンだったことで、この企画が正式にスタートしたという感じですね。

これまで伊藤先生の世界観や作品をどうご覧になっていましたか?

藤本まず自分にはないような発想とイメージの凄さ。それと、怖さや奇抜さはもちろんあるんですけど、何よりすごく品がよくて美しいという印象を受けました。そして実際に伊藤先生とお会いしたときにも、なんて人柄のいい、優しくて奥ゆかしい人だろうという印象がありまして。だから、ホラー漫画ではあるけれど、伊藤先生の繊細な線や、根っこの部分の上品さが作品にも表れているのかなと思いました。そういうところも大好きです。

あと、ちょっとおこがましいんですけど、一方的に親近感を抱いていました(笑)。特に女性の描き方とか、表情。先生の描く横顔とか笑顔が好きで。美意識のこだわりというんでしょうか。すごく共感を持っているんです。

藤本さんの造形作家、原型師としてのこだわりを教えてください。

藤本作品を見てくれた人がそれぞれ感じたイメージを、例えば「この子はこんなものを持っているけど、いったいなんだろう?」とか「こんな服を着てるけど、どういう子なんだろう」という風なことをいろいろと膨らませて、楽しんでもらえたらいいなと思いながら作っています。

それと、表情と目線。そこでけっこうフィギュアの魅力って決まると思うので、何かを話し出しそうな、何かを訴えかけているような雰囲気を出せるようにいつも心掛けています。

原作のキャラクターのイメージを再現するということについては、僕のオリジナル作品とはまったく違う感覚でやっています。それに、原作の立体化は自分だけでは作れないというか、自分の中にないものを引き出してくれるお仕事と言いますか。だから今回富江を作らせていただいて、伊藤先生のご意見を聞くなかで「なるほど、こういう見方があったのか」とか「こういう部分はこう作るといいんだ」という発見と学びがありましたね。

伊藤潤二×藤本圭紀

今回の富江のビジュアルはどのように決められたのでしょうか。

藤本富江って、時代の流れで表情や顔つき、絵のタッチも、初期・中期・後期といった感じで変わってるんですよね。だけど、時期にとらわれずに「ファンの皆さんが想像する富江の、最大公約数的なイメージ」を表現できるようにしたいというのがまず第一にありました。

そして、肉片が再生する様子、髪の毛といったグロテスクな要素は台座につぎ込んで、上に立つ富江は美しく魅力的にというふうに明確に作り分け、トータルで作品の世界観が表現できるように構成しました。

伊藤先生から直接コメントをいただく機会もありまして、横顔のラインとか、首の付き方と姿勢、そういうところの的確なご意見をいただいて、よりいい富江になったんじゃないかなと思います。このときに、伊藤先生は人体の構造とかラインを大事にしていらっしゃるんだなという印象を受けたのですが、僕も同様のことをすごく大事にしているので、大変刺激を受けましたし、そういった意見をいただけるのは嬉しかったです(笑)。

なびいた髪も、僕の手癖でやっちゃうと、すごく暴れた感じになっちゃうんですよね。でも、伊藤先生の描く“抑えた美しさ”と言いますか、上品な髪の流れみたいなところを、豆魚雷さんともディスカッションして、「そっちじゃない、こっちかな……」と探りながら作っていて。そういったところで、よりキャラクター性を表現できる気付きのようなものはありました。

伊藤潤二×藤本圭紀

今回、藤本さんがこだわったポイントを教えてください。

藤本上の富江はくどくならないよう気を付けていて。衣装が複雑な造形ではないぶん、濃いところは濃く、明るいところは明るく、彩色で濃淡のメリハリをつけて立体感を強調させています。反面、台座はちょっと「うわっ!」となるくらい、派手に猟奇的な感じを狙って頑張りました。

そしてフィギュアといえども、生きているような存在感の、前の動きや次の動きが想像できるように心掛けました。派手なポーズではないんですけど、ちゃんと躍動感や存在感があるように。そういうところはいつも意識していますが、今回は特に慎重に取り組んだと思います。

最後に、ファンの方々に「特にここを見てほしい」ということがあれば、お願いします。

藤本伊藤先生の創り出した『富江』という作品の世界観や空気感、繊細さ、恐ろしさ、そして美しさ……そういったものが、立体作品ならではの、造形でしか表現できないリアルな感触として伝わってくれればと。

「机の上に富江がいる」……少しでもそう感じていただければ、これ以上嬉しいことはないですね。

伊藤潤二×藤本圭紀
【Archipel】Junji Ito and Yoshiki Fujimoto | TOMIE renaissance
伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー 伊藤潤二 × 藤本圭紀「富江」コラボレーション・スタチュー
伊藤潤二 × 藤本圭紀 富江 コラボレーション・スタチュー
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