2

RJBバンピレラを
手掛けて

原田今回藤本さんが作って、一番楽しかったところと辛かったところをそれぞれ聞きたいんですけど。

藤本辛かったところ、というかやっぱり難しかったところは腰周り。お尻、股間……下半身ですかね。

RJBマンガなんだけど自然にしないとダメ、っていう。

藤本そうなんですよね、そこが難しくて。

原田股間のこだわりとかの話聞いていいですか?

RJB股間のこだわり! 股間が一番がんばってると言っても過言ではないです!

一同(笑)

原田と思うんですよね、この部分にかなりエネルギーが注がれましたよね。

RJBお股の部分にね。

原田どんどん美しくなっていきましたね。

RJBそこに時間使ったもんね、修整も含めてね。

藤本そうですね、お股は難しかったです。

RJBやっぱ一番こだわるのは顔なんだけど、その次股間で、みたいな。下半身ね。全体にこだわるのは前提としてあるけども、細部で言うならば顔と股間にこだわりが集中してくるかな。

原田ジェリービーン的にはどう? 満足いきました?

RJB造形としてはね、今の状態は完璧ですよ! ただですね。

原田ただ……

RJB藤本氏の女体に対する変態的興味がもっと増えれば、まだまだもっとエロくなる!

一同(笑)

RJB言ったら、フェチっていうところですね。今後藤本くんが、フェティシズムの部分でもっと目覚めることに期待ですね(笑)。まだまだ今後、いけますよ。

原田伸びしろは性的嗜好にかかってますか。

藤本今後の課題にします(笑)。

RJBでもね、今回のこのポーズでこのシチュエーションだったらもう、これですごい完璧だと思う。

藤本最初に僕が作ったポーズはもう全然、なよっとした感じで。

RJBあー、そうだったね!

原田最初は肩が内側に入ってましたよね。

RJBそれからで言ったら、大改造だったもんね。

藤本(肩を内向きにして)最初こういう、くねくねっとしたポーズだったんですね。そこでまず僕はコケたわけですよ。全然違うという話になって、「そうか、この方向じゃないんや」って思って。いつも別の仕事で作ってる美少女フィギュアの癖が出ちゃったんですね。

原田いわゆる「萌えフィギュア」って、内側に入れますもんね。萌えのポーズって肩、肘、膝を内側に入れますでしょ。

藤本そう、美少女フィギュアならそういう感じ、というのが知らず知らずのうちに身に染みちゃってたみたいなんですね。で、ジェリービーンと話していく中で、「もっとビシッと!」と言われてピンときましたね。ああ……ビシッとね、なるほど! と。

RJBそれで肩の入り方とかだいぶ大手術して、一気に変わったもんね。なので、そこを伝えて、わかってくれる人かなっていうのが。そういう人に会えるかどうかっていう不安がやっぱ一番最初にあったんだけど。同じセンスを持っている人なのかなということなんだよね。

原田なるほど。

RJBそういうとこだと思うんだけど。だから絵があってそれを立体にするだけって言っても、1枚の絵を如何様にも捉えようはあるもんね。だから最初は不安だったんだけど、話していくうちにどんどんどんどん話が合っていって。藤本くんは全然心配いらなかったですね。

藤本嬉しいです。

RJBあと藤本くんのは、例えばコウモリだったり下のゾンビのフォルムとか、ディテールが凄かった! バンピレラの本体はもちろんなんだけど、コウモリとかゾンビで「おおおおお!」みたいなね。「もうこれで是非!」みたいな感じになったってところがあったね。
襟を薄くしたいとかそういう部分はね、絵だけでは伝わらないから一回作ってもらって、そこから話して私の思っている感じに近づけてもらうところなんだけど。……もう、コウモリの顔をこんなまで作ってもらうなんて思ってなかったし(笑)!

藤本(笑)。コウモリはずっと気に入ってくれてましたよね。

RJBこれだけで売りたいくらい。このガイコツや下の手もいい。

原田ガイコツは早かったですよね、作るの。何時間で作ったって言ってましたっけ?

藤本ガイコツは1時間くらい……(笑)。

RJBコウモリも2時間って言ってたよ!

藤本悩まないところはすぐサクサクッとは出来るんですけど。

RJBそっかそっか。考えるところで時間がかかると。

原田面白いのがこの棺桶の中の表現ですよね。はっきり言って、かなりアバウトな指示だったじゃないですか。このイラストからアップデートがない状態でこの造形がいきなり来て。ジェリービーンから一切直しがなかったですよね。それも驚いて。

RJBだって(笑)! クオリティがすごい高いわけだから、そりゃ直さないほうが得じゃん!

一同(笑)

原田藤本さんどうなんですか、棺桶の中のディテールをもうちょっと指示くれないのかなていうのはなかったですか?

藤本まあでも、この空間の中に詰め込められる要素の数としては十分あったと思うんですよ。ラフの段階で。

原田目がこう、ふたつバッと光ってて。

藤本で、蜘蛛の巣があって、ボロ布。その3つがあれば、もうこの空間は十分埋まるなって感じはあったんで。

原田にしても、僕は驚きました。「知らないうちに細部の指示が出てたのか?」と思ったんですよ。「いつの間に!」みたいな。あまりにタッチが出てるから、「藤本さんにジェリービーンが乗り移った!」って思いました。

藤本ああっ、ありがとうございます(笑)。

原田ここは本格的に手を入れる前に、ディテールの詰めをしないといけないなと思ってたんです。でもそんなのすっとばして棺桶の中がしっかりジェリービーンの絵柄に、いきなりなってた。

RJBここは、話が合ったから実現したことなんだろうねえ。なかなかそうやって伝わることってないから、だからすごいよね!

原田作ってて楽しかった部分って聞きましたっけ?

RJBあ、楽しかったところ?

藤本楽しかったのは……やっぱりずっと、全体的に楽しかったですよ。

RJBいつもとどこが違うかな? 美少女系のキャラクターとかと比べて。

藤本それこそ最初のポーズですね。最初のポーズで僕がやっぱああいうちょっと媚びたポーズにしちゃったっていうのは、やっぱやっぱ普段からの癖というか。

原田萌え系美少女の手癖みたいのが。

藤本手癖みたいなので、まあ出ちゃった部分だなぁとは思うんですよね。ジェリービーンとのやりとりの中で、そうじゃないって理解したらもうバサッと切り捨ててやったんで、爽快でしたよ!

RJBほほう、それは興味深いですね!